KURASHIKI CAFFS

本日から倉敷の喫茶店は“CAFF(カフ)”でいきます。

2007年の12月、ロンドンで一冊の本に出会った。タイトルは『LONDON CAFFS』。その本にあった「CAFF」と呼ばれる飲食店の写真に魅了された。一店一店のお店の外観や内装はシビれるぐらいにクールで、ロンドンが匂うようだった。思わず数店に、実際に足を運んだ。ところが、記された住所にお店がない。本が出版されてからたった3年で、掲載された店舗のいくつかがすでに廃業していたのだ。その本の冒頭、著書のこんな言葉があった。<本の構想は10年前からあったのだが、もっと早くに書くべきだった。私の候補リストにあるお店の半数以上が、執筆以前に店を閉めてしまった>。そして、この本の役割を、ロンドンの街の光景と歴史と美の記録であると述べ、さらにCAFFのオビチュアリー(死亡記事)だとも。翻って、日本の飲食店の形態のなかで、CAFFともっとも近いのが喫茶店だ。コーヒーや紅茶といったドリンクとシンプルなフードを提供し、常連客のコミュニティとしてローカルに根ざしている。急速にその数が減少しているという点でも共通している───今号の特集では倉敷の喫茶店をとりあげる。しかし、画一化する世界のフードビジネスに対する憂いと、ロンドンのCAFFへのリスペクトとシンパシーから、あえてここでは喫茶店をCAFFと呼ぶことにしたい。倉敷の喫茶店は、今日から「KURASHIKI CAFF」だ。