#01 KOJIMAメイカーのエコ対策 #02 児島ならではのリサイクル会社 #03 INTERVIEW/河合秀文

Kojima’s Eco Measures

Kojima’s Eco Measures

KOJIMA Manufacturers' Eco Measures

domingo

サンプル生地を貼った生地スワッチ。紙はほのかに青みがかっている。

domingo

 「OMNIGOD」で知られる児島のドミンゴでは、4年前からデニムペーパーを生地スワッチ(サンプル生地を貼り付ける台紙)として使用している。材料となるデニムは、同社から出た残り物の生地や端切れを製紙会社に無償提供。100%コットンのものでないと製紙の原料として使用できないので、ポリウレタンの入った化繊とに仕分けし、袋詰めしてから製紙会社に発送している。コストはすべて同社もちだ。出来上がったデニムペーパーは同社が購入。普通の紙よりも値段は高価だという。企画室の三谷慎哉さんは次のように言う。「生地を無償で提供しているのは、エコの観点から捨てるよりはいいだろうと。できたデニムペーパーを買っているのは、せっかく当社から出た生地でできているわけですから、自分たちで使ってみたかったというのが正直なところです」ちなみに、デニムペーパーは、鉛筆で書いた文字がわかりづらいなど、使い勝手はよくないそうだ。
 同社ではほかに、製品を入れる袋にリサイクルできるものを使用。5年前から、リサイクルしやすいようにダンボールケースも無地化した。ジーンズのリベット等も、種類を減らすなどして、極力無駄が出ないようにしている。「エコのために何かやろうとすると、大抵の場合はコストがかかるのですが、アパレルメイカーとしてエコは避けて通れない問題になっています。しかし、アパレルメイカーがエコを突き詰めていくとメイカーとして成り立たなくなる。極端な話ですが、夏場はTシャツが3枚ぐらいとジーンズが1本あればやっていけます。つまり、お洒落で服を買うこと自体がエコじゃないんです。メイカーとしてそんな矛盾を感じながら、日々製品を作っているというのが実情です」

Betty Smith

「エコ・ベティ」のペンケース、ポーチはともに400円。同じデニムでも異なった風合いがある。

Betty Smith

 ジーンズを作る際には、いくらパーツを効率よく部取りしても、デニムの残り生地、端切れの類は相当量が出てしまう。株式会社ベティスミスでは、廃棄されるデニム生地を使って、2004年からリサイクル商品を製造・販売している。「もともとは販促物として作ったものでした」と言うのは代表の大島康弘さん。「ジーンズ屋という特徴を生かして、ジッパーやリベットはジーンズで使われているものをそのまま使ってペンケースを作ったんです。そのうち『売ってほしい』という声が出はじめたので、<エコ・ベティ>と名づけて商品化したわけです」
 価格が手ごろであること、また端切れの種類の多様さゆえ、ひとつひとつの商品に個性があることから、まずまずの人気商品となっている。「児島に限らず、アパレルメイカーには<無駄なものを作らない>という姿勢が求められて います。ジーンズに関して言えば、安いものをたくさん作って売るという従来の販売ではなく、質の高い商品を適正な価格で販売するという方向にビジネス転換が求められている。それが会社にとってだけでなく、地球環境にとってもいいことなんです。つまり、エコと時代が合致してきているということでしょう」

香々里(かがり)

ペットボトルの再生委糸を使った「香々里(かがり)」。

Takata Orimono

 児島は畳の縁を飾る畳縁生産の全国シェア7割を占める。児島・唐琴に本社をもつ高田織物は、この畳縁を生産する企業の最大手。環境への取り組みにも力を入れている。年に一度、王子が岳の山頂付近や海岸を社員総出で清掃するクリーン活動は今年で6回目を迎えた。畳縁の切れ端を希望者に無償で提供するサービスも好評だ。製品にもエコを取り入れている。ペットボトルの再生糸を使った畳縁で、業界初のエコマーク認定を受けている。「縦糸にペットボトルをリサイクルした糸を使って織っています。この糸は伸縮性がほとんどないので、使いやすいものではありませんでした。でも、企業として環境にどう貢献できるかを考えると、やる価値はあると。糸の太さやカタチを変えるなど、かなりの試行錯誤をして、やっと完成したんです」(高田尚志さん)
 製品ロスの発生率も高く、価格はもっとも安い畳縁の2倍ほど。にもかかわらず、独特の風合いと、エコをうたったことで、同じ価格帯の商品のなかでは「群を抜いて売れている」という。「畳縁の糸はほとんどが化学繊維ですが、最近は綿や麻など自然素材が人気です。消費者の環境への配慮と、安心・安全を求めるニーズからです。企業としては、コストが高くなっても、消費者のニーズに見合った商品を作っていかなければいけない。環境への配慮を無視して、商品を作ることはできない時代なんです」