Krash Cinema Blog

ライター。元・日本美女選別家協会会員。
1963年倉敷(水島)生まれ。
コチラでも映画の話を書いたりしてます。

3/18 やったね、サボテンブラザース

 昨日のWBCでメキシコがアメリカに2対1で勝ち、日本の準決勝進出が決まったもんだから、今日のテレビじゃ「メキシコありがとう」のコメント連発だ。私は日本のこととは関係なく、最初からメキシコを応援してたぞ。
 一昨年に本誌編集長の赤星と一緒に初めてメキシコに行って(実はその時に浜辺でKrash Japanのコンセプトが決まったのだ)以来、私はメキシコ大好き人間だ。
 メキシコと言えば、映画『メキシカン』とか『フロム・ダスク・ティル・ドーン』なんかを見ると、一歩足を踏み入れると生きて帰れるかどうか分からない怖いところという印象を持ってしまうが、そんなことはない。
 まあ、前近代的な部分が残っている国だから、怖いところはとてつもなく怖いんだろうけど、いい人たちは底抜けに素朴ないい人だ。メキシコのアミーゴたちは、私が農道でウンコ漏らしそうになって冷や汗かいてた時に優しくしてくれた……いや、この話は詳しくは書かないが。

 日本から直接メキシコ旅行に行ったのではなく、アメリカを旅する途中で立ち寄ったから余計にそう感じたのだと思う。アメリカにいると、どうしても卑屈な気分になる。白人も黒人も、日本人旅行者の俺のこと馬鹿にしてるんだろうなあと思ってしまう。
 ところが、国境を越えてメキシコに行くと自然体になれるのだ。メキシコ人は日本人に近い。背の高さも、中途半端に褐色な肌の色も、アメリカの隣に住んでるくせに英語が話せないところも(都市部は別として、ちょっと田舎へ行くとまるで英語が通じない)。
 店の壁にゴテゴテと文字や絵を描くセンスも、ひと昔前の日本の歓楽街の風景に似ている。いや、今でも歌舞伎町や秋葉原はゴチャゴチャだ。
 どう見たって、アメリカ人よりもメキシコ人の方が俺たちの兄弟だ。メキシコで食ったジャパニーズ・ファーストフードと称する焼き鳥丼はぜんぜん日本の味じゃなかったけど。

 ところで、WBCの件では「メキシコありがとう」と同時に「棚ぼたの準決勝進出」「他力本願」という言葉が繰り返されているが、それは日本チームに失礼じゃないか。あらかじめ定められていた選定基準の中で、日本は2番目の成績を残して2次リーグを自力で突破したのだから。
 これが140試合戦うリーグ戦でシーズン半ばにもう自力優勝が消滅したとかいう話なら、情けないと言われても仕方がないかもしれない。しかし、今回のWBC2次リーグは日本×韓国戦がメキシコ×アメリカ戦よりもたった1日早かっただけの話だ。もしメキシコ×アメリカ戦の方が先に行われていたなら、日本×韓国戦で「日本は失点が2点以下なら負けても2次リーグ突破」という条件が先に分かっていたことになる。その場合は「棚ぼた」だの「他力本願」だのとは言われなかっただろう。「棚ぼた」というのは、たとえばアメリカが不祥事で出場を辞退して日本が上になったとかいう場合に使うべき言葉だ。
 いや、私は必死に日本チームを擁護したいわけじゃないし、言葉の端をとらえて揚げ足をとりたいわけでもない。日本の準決勝進出を「棚ぼた」「他力本願」と評するのは、ものの見方が本質的に間違ってると思うから気になったのだ。
 日本はあくまで実力で準決勝に進んだ。しかし、その実力がショボいってことが問題なのだ。「1勝2敗で通過なんてまったく情けない。何やってんだよ」ってことは声を大にして言いたいですよ、私も。

 ま、メキシコの人たちは何も気にしてないと思いますが。