Krash Cinema Blog

ライター。元・日本美女選別家協会会員。
1963年倉敷(水島)生まれ。
コチラでも映画の話を書いたりしてます。

6/11 ショッピングバック・マウンテン

 最近、ちょっと気になる人がいる。近所のスーパーでレジを打ってる人だ。……こう書くと、美人店員に一目惚れした話だと思われるに違いないが、相手は男である。若い兄ちゃんだ。
 いや、私はあくまでノンケなので、その兄ちゃんに『ブロークバック・マウンテン』な気持ちを抱いたわけじゃない。
 その彼はどうやらハーフらしいのだ(いや、だからニューハーフじゃありませんよ)。色白で背が高く、日本人離れした顔立ちをしていて、どう見ても白人系のハーフなのである。
 今どきハーフに驚くこともないのだが、ちょっとめずらしいのも事実だ。へえ、ハーフか、と思う。で、なにげなく彼の胸についている名札を見る。べつに他意はない。何を確認しようというわけでもないのだが、ハーフだろうなと思ってハーフらしい名前が書いてあったら、なんだか安心するのが人情というものだ。
 しかし、ハーフらしい名前って何なんだ。そりゃあ「ジェームズ安田」とか書いてあったらハーフらしいけど、スーパーの店員の名札は、たいていは苗字をひらがなで書いてあるだけである。「やすだ」だったらハーフなのか単に外人顔した日本人なのか分からないし、逆に「うぃんすとん」なんて書いてあったら、ハーフなのか生粋の外人なのか分からないではないか。
 ……と、そんなややこしいことを私はその場で考えたわけじゃない。とにかく、なにげなく彼の名札を見たのである。
 すると、彼の名札には「ふらんす」と書いてあった。

 確かに、フランスという人名もある。アナトール・フランスというノーベル文学賞作家もいるし、マリー=フランス・ピジェという女優もいる。
 しかしなあ……。スーパーの兄ちゃんの胸に「ふらんす」だ。
 これはアレかもしれないなあ、と私は思ったのだ。松田優作が石原裕次郎から「よし決まった、お前のあだ名は“ジーパン”だ」と言われたみたいに、「お前、フランス人みたいな顔してるから“ふらんす”だ」と店長に言われたのかもしれない。
 そんなことを悶々と考えながらスーパーから帰ってきた私は、彼に「それ、本名ですか?」と訊いてみたくて、気になってしょうがない今日この頃なのである。
 ……って、どうでもいい話を書いて「今日この頃である」とまとめておけば話がオチると思ったら大間違いだが。