Krash Cinema Blog

ライター。元・日本美女選別家協会会員。
1963年倉敷(水島)生まれ。
コチラでも映画の話を書いたりしてます。

11/23 またまた、おひさしぶりですが。

 皆さん、マイケル・ムーアの『ボウリング・フォー・コロンバイン』はご覧になったことがあるだろうか。反ブッシュ映画として話題を呼んだ『華氏911』の前に、コロンバイン高校の銃乱射事件を題材にムーアが撮った映画。有名な映画なのだが、誰が読むのか見当のつかないサイトに書いていると、どこまでを常識扱いにしてよいのか悩むわけです。まあ、マイケル・ムーアもコロンバイン高校の事件も知らないという人は、ちょっと検索して調べてみてください。
 私は「アンチ○○」なんて好きじゃないので、マイケル・ムーアを褒め讃える気はないのだが、『ボウリング・フォー・コロンバイン』には感心させられる部分があった。コロンバイン高卒業生のマット・ストーン(アニメ『サウスパーク』のクリエイター)がインタビューを受けて語った言葉だ。正確には覚えていないが、「学校の中の人間関係が一生続くわけじゃない。卒業するまでガマンしてりゃ終わるってことを生徒たちに教えてやるべきだ」といった意味のことをストーンは語っていた。アニメ作家になってるぐらいだから当然オタクなわけで、おそらくイジメられっ子タイプだっただろう。経験者の貴重な意見である。
 私だってイジメられたことはある。幸い、さほど世渡りが下手な子ではなかったので、集団的なイジメを受けた経験はないのだが、学年最凶のジャイアン的な同級生に可愛がられ、毎日あいさつ代わりにしこたま痛めつけられていた。そりゃあ、そのジャイアンを殺してやりたいくらいに思ってましたよ。でも、卒業すれば二度と彼に会うこともなくなったし、何の問題もなくなった。
 子供の時間は長い。子供にとっては文字通り「一日千秋」だ。たった1週間が永遠に思えるくらい長い。たった1年や2年、あるいはほんの数ヶ月先の卒業が絶望的に遠い。ほんの一時期のことが子供には人生のすべてに思える。それを大人は理解してやらないとけいない。しかし、逆に言えば、子供が永遠の地獄のように感じていることが、実はちょっとガマンしてればすぐ終わることなんだよと、大人は子供に教えてやらなければいけない。どうしてもガマンできないなら、ちょっとの間身を隠しておける逃げ場を与えてやればいい。
 もちろん、そんなことを教えてもイジメの根本解決にはならないが、イジメを根絶しようなどという非現実的な理想論を語る前に、現実的に生き延びる方法として教えてやれることがある。マット・ストーンの言葉は私にそれを気づかせてくれた。賢い人ならハナから分かってることなんだろうが、私はストーンの言葉で初めて気づいたのだ。
「ガマンしてりゃ終わる」というのは、現実的な生き方のアイデアである。私はマイケル・ムーアが語るような「思想」よりも、ストーンが語ったような「知恵」の方が尊いと思う。「思想」が教えてくれるのは「敵が誰なのか」という憎悪だが、「知恵」が教えてくれるのは「自分も生きていける」という希望だからだ。