新・不定点観測

赤星豊

vol.458 同級生

 ここのところ写真づいてる。今日は写真展の会場で、玉野市の宇野港近くにある倉庫を改装したギャラリー「駅東想庫 ギャラリーMinato」(http://www.unokotochi.jp/ekihigashi/index.shtml)でこの7月に写真展をやらないかというオファーを受けた。写真を見せてもらったらこれが美術館みたいな雰囲気の空間で、スペースもいまやってるD_MALLよりも確実に広い。そんな場所でぼくの写真を展示するなんておこがましいとは思う。プリントをやり直したり、新しく作品を作ったりと、いろいろと手間もお金もかかる。でも、いつものように、「ま、いいか」という感じでお受けした。せっかく言ってくれてるんだし。ちなみに、この玉野での展示が終わったら、8月中旬からは岡山の奉還町のアートフェスに参加することになっている。もちろん、写真で。うーん、仕事はどうする?


 今日のオープニングパーティは盛況だった。20人ぐらいかなと思っていたんだけど、ふたを開けてみたら50人ぐらい来ていた。ライブをやってくれた「小田川フーチー」の関連の人がいたにしても、いろんな人に写真を見てもらってよかった。
 中学と高校で同級生だったNが女友達とふたりで来ていた。会場ではまったく話ができなかったのだが、彼女たちがまさに帰らんと会場を出たときに、やっとNと話をすることができた。歩きながらあたりさわりのない話をし、ふたりを車まで見送った。ぼくが立ってた助手席側にNの女友達が乗り込んだ。とそのとき、一度も言葉を交わさなかった彼女が窓越しにぼくに言った。
「赤星クン、変わったわあ」
 ん? 赤星クンとな? 見たことないからNの仕事場の友達かなんかかと思ってけど、彼女も同級生だった? マジ?
「あの頃はコワくて話しかけられんかったけどなあ」
「え、それって中学の話? それとも高校?」
「わたしのこと、憶えとらんじゃろ?」
「全然わかりません」
「そうよねえ。じゃあ、また」
「いやいや、誰だか教えてよ。誰?」
 結局、彼女が誰だったかまったくわからないまま車は去って行った。取り残されたカタチのぼくは、恥ずかしさやら、申し訳なさやら、誰だかまったくわからないという消化不良な気持ちやら、いろんな感情が混交して、ひとり喫煙スペースで眉間にしわを寄せタバコをスパスパ吸った。コワくてオレに話しかけられなかったって、中学だか高校だかのオレはそんなだったのか? いまは写真家なぞ気取ってますが。それにしてもあのお方、いったいどなたですか?