しばらくDIY路線を突っ走ってみようかと思っている───と、前回のコラムを締めくくった。なんと安易な締めだ。ぼくが読者なら、「絶対やんないよ、こいつ」と、そう思うだろう。でもね、これ、意外と本気だったりするのだ。実際、前回紹介したワゴンを製作した翌日も、終日DIYやってた。ワゴンの第二弾だ。
前回よりも短時間で設計図を描き終え、必要な板のサイズと枚数を紙に書いてホームセンターのナンバにもって行った。対応してくれたのは前日と同じ、イジリー岡田にそっくりのスタッフ。ぼくの顔を見て、クレームでもつけられるのかと、一瞬顔をひきつらせた。
「昨日のやつ、もう一個同じようなのを作りたいんですよ。すごく評判よくってね」
顔をほころばせたイジリーくん、はりきって前日よりも短時間でOSBボードをカットしてくれた。さらに1カット35円のカットを、1カット分安くしてくれた。サンキュウ、イジリー。もちろん本人には言わなかったけど、その髪型、イカしてるよ。
今回のワゴンは天板の部分がプリンターのプリントが出てくるトレイの代わりになるように設計されている。ずっと前からトレイが壊れていて、応急処置としてアウトドア用のチェアを置いていた。それが全然イケてないのだ。ぼくが仕事を発注する側だったら、椅子の座面の上にプリントがバサバサ流れてくるようなオフィスに仕事は頼まない。
して、できた。今回はヒトミちゃんのサポートなしで。それでもまたまたパーフェクトにイカしたやつができた。均等に棚の高さを配分したはずが、できあがってみれば一番上の棚が下3つより1センチ以上も広くなるというハプニングがあったのだが(ありえん!)、この一番上の棚に偶然にもトナーの箱がピッタリ納まるという幸運にも恵まれた。やっぱり、おれはなんかもってる。
やっぱり、おれはなんかもってる。「ヒマしてる」なんて書いたせいかもしれないが、ひとつ仕事が舞い込んだ。これがまたまたモチベーション全開の面白いお仕事。なんと、某有名スポーツメイカーのバットのデザイン。話があがったときからテンションはあがりっぱなしだ。
「こんな仕事、受けてもらえるものなんでしょうか?」
と、大阪からやってきたSクン、ものすごく控えめな態度で。
「なに言ってるのよ、やるよやるよ、是非やらせてもらいますよ!」
もうそのときから、いくつかデザイン案が頭にひらめいていた。
翌日、早速ヒトミちゃんに新しい仕事の内容を伝えた。
「わたし、野球のこと知らないんです」
そんなヒトミちゃんに、ここがファーストね、ここがセカンド……とグラウンドの図面を描きつつ、野球のルールを説明する。
「盗塁って、なんなんですか?」
「んん? 盗塁?」
ランナーがここ一塁にいるだろ、そんでピッチャーがキャッチャーに投げて───と説明を重ねるにつれ、グラウンドの図面が線でぐちゃぐちゃになっていく。おれはいったい、なにをしているんだろうという思いがよぎるが、まあこれでいいのだ。一緒にデザインするスタッフが野球のことを知らないというのもいかがなものか。
というわけで、来週からはDIYはいったんおあずけ。その前に、ひとく区切りの作品として、この週末に自分用のワゴンをひとつ作ろうと思っている。マジで。すんげえ、いいやつ。