新・不定点観測

赤星豊

vol.390 政治を語る

 意識的にこのコラムでは政治の話を書かなかった。なぜかというと、ニュートラルな立場がクールだと思っていたし、だいたい政治に詳しいわけじゃないのだ。ぼくが書かずとも、誰かがどこかで同じことを言っているだろうし。
 こんな書き出しで始めたからには、書くのだ、政治について。しかも真面目に。理由はふたつ。前回のコラムで書いた夢の話があまりにもバカバカげていて(さっき読み返して呆れました)、本当にバカじゃないかと思われるのを危惧して。政治のことを書けばそれが払拭されると思っているあたりで、すでにバカっぽくもあるが……。もうひとつの理由は今回の自民党の総裁選だ。誰かがどこかで同じことを言っていたとしても、この際ひと言言いたい。♪オレの話を聞け、5分だけでもいい♪(『タイガー&ドラゴン』より/クレイジー・ケン・バンド)


 自民党はもの心ついた頃から好きじゃない。生理的に好きになれないのだ。それでも、今回の総裁選には注目していた。というのも、この先、民主党政権がしばらく続くにしても、野党である自民党がしっかりしているのとしていないのでは国の政治は大きく変わってくる。自民党が先の衆院選の惨敗をどう総括し変革しくか。その流れが、この総裁選の結果から見えてくるはずだった。
 結果は「みんなでやろうぜ」と、何をやろうとしているのかを明かすことなく、ただ党内の融和(もちろん派閥温存)を唱えた谷垣禎一が、ほかの2候補を圧倒するカタチで自民党の第24代総裁に選出された。まあ、自民党なんてそんなものだろうと思っていた。ぼくが頭にきたのは、派閥政治を完全に否定した対抗馬の河野太郎が、自民党所属の議員票で、3人目の候補である幽霊みたいな西村康稔をも下回ったことだ。自民党って、そこまで堕ちた集団だったのか。今回の総裁選は自民党にとってもひとつの大きなチャンスだったのだ。こんな結果をもたらした自民党の議員たちには、はっきり言って虫唾が走る。
 自民党と民主党が政策論を戦わせ、ふたつの政党の間で政権が移り変わる。実質このような、アメリカの民主党と共和党のような二大政党制へ以降するのも悪くないと思っていた。でも、いまの自民党の利己的な保身体質が続く限り、もう自民党なんかいらない。天下りと一緒に、消えてなくなればいい。


 予想通り、いまの世の中は少々混乱気味だ。ダムの建設中止の問題とか、鳩山首相の二酸化炭素25%削減発言とか、天下りの廃止とか。現政権は自民党がいい加減に決めてしまったことやうやむやにしてきたことなど、いわゆる置き土産にしばらく振り回されることになるだろう。でも、ぼくは民主党に期待している。もしかしたら、日本は少し変わるんじゃないかと期待している。たぶん、なんども裏切られることになるんだろうけど、そんな期待を抱かせたという一点だけでも評価に値すると思う。いままで政治に期待できない時代があまりにも長かったから。