新・不定点観測

赤星豊

vol.286 暮れのこの時期

 この秋から新しい財布を持ち歩いている。水島のレザークラフト・ショップ「GERUZ」のスズキシゲルくんの手によるものだ。タイトルを「MAKANAI(まかない)」という。まかない料理のようにありあわせで作ったもの、しかし正規のメニューにはない「美味さ」がある、というのでこの名称にしたのだとか。商品にはなりにくいとされるラマの革と鹿革を使用した手縫いのこの財布。使っているのは、ぼくとBRUTUSの番長とカワベくん、それともうひとり、KJのvol.7でスタイリストをやってくれたデニム・ジャンキーだ。彼がこの財布を自身のサイトでアップしているのだが、その紹介にいたく感心した。写真の見せ方や文章はプロ級、それになにより思い入れと客観的な視点とのバランスのとり方が絶妙だ。ある種の感動すらおぼえた次第である。http://denim-junkie.com/main.html


 昨晩、GERUZの忘年会に顔を出した。来ていたのは若いクラフトマン集団「plusix(プラスィックス)」の面々。革と彫金のクリエイターが集まって、つい先週に、共同のサイトを立ち上げたその打ち上げも兼ねているようだった。サイトをデザインした児島のウェブデザイナー・堂本クンもいた。実は彼らに堂本クンを紹介したのはこのぼくである。
 サイトを完成させるまでに、みんなそれぞれに苦労があったようで、昨晩は晴れ晴れとした顔をしていた。もちろん、アップして数日しか経っていないから、まだサイトでの販売実績はない。これからだって、売れるかどうかはわからない。でも、彼らは楽しみで仕方ないといったような顔をしている。見ていてこっちも楽しみになってくるぐらいに。実にポジティブなヤツらだ。時間があったら、こっちのサイトもチェックしてみてほしい。商品が出来上がり次第アップしていくことになっているので、是非「お気に入り」に入れて継続して見てもらいたい。http://www.plusix.jp/


 さてと、今日から大晦日まで大掃除とおせち作りのダブル・プロジェクトだ。早速、これからこのデスクの上と本棚を整理して、それから天満屋ハピータウンでおせちの材料の買い物。そして夜は児島レッドソックスの忘年会へ。慌しくはあるが、平和な、児島の時間を満喫したい───といったところだけど、今日の早朝、倉敷の叔母から電話があり、岡山にいる叔母が亡くなったと知らされた。あまり顔を合わせることはなかったが、好きな叔母だった。倉敷に戻ってからのぼくの活動を応援してくれ、何度か葉書をくれた。「近いうちに会いに行こう」と思っていた。早く行っときゃよかった。
 いやがおうにも、2000年のちょうど同じこの時期に親友のTが亡くなったのを思い出す。あのときは、「なぜあんな小さなことであいつに怒っていたのか」とひどく落ち込んだ。ほんとにちっちゃなことだったのだ。近しい誰かが死ぬたび、後悔する───それはたぶん、これからも変わらないんだろうと思う。