新・不定点観測

赤星豊

vol.245 TSUTAYAに通う

 色校正が終わって、雑誌が納品されるまで約10日。やっとひと息つけるこの間にも、実はやらなきゃいけないことがたくさんある。ひとつは発送伝票と封筒の作成。名古屋、京都、広島、福岡など、東京と大阪以外の地区は、一軒一軒、児島から宅急便で発送することになっているので、その伝票を作っておかなければならない。それから関係各所への発送。取材や撮影に協力してくれた人たちへはもちろん、東京のいくつかのメディアや代理店、ぼくの元職場の人たち、一緒に仕事をしてきた仲間、国内外で創刊からサポートしてくれている人たちなどなど、その数はゆうに100通を超える。ほかにも海外発送の用意とか、発送と一口に言っても、なんやかんやいろいろあるのだ。もちろん、こなすのはわたくしKJ編集長しかおりません。自らしこしこと封筒に宛名書きなんかしている絵は、かなりけなげだ。
 シチズン・パートナーシップの協力要請に回るのもこの時期。HPがオープンする前日まで、「なんとかお願いします、一口一万円!」とひたすら頭を下げて回る。この手の営業は苦手も苦手、できれば一万円を払って勘弁してもらいたいぐらいなのだが、そうは言っていられない。10号まで継続するためには、こんな頭、いくらでも下げますぜ。


 やることがたくさんあると言っても、制作を終えた直後のこの時期、気分はすこぶる軽い。体重が20㎏ぐらいになった感じだ。気分が軽くなると、ぼくのカラダは自然とTSUTAYAに向かう。早速、一昨日の晩に足を運んだ。その夜は新刊でも買って読もうかという気分だった。しばらく棚を回った結果、本命は『深海のイール』というドイツ発の海洋科学アドベンチャー。ぶ厚い文庫で、しかも上・中・下の3巻、かなりの長編である。次点は村上春樹の『海辺のカフカ』。一度、文庫化されたときに買ったのが、どういうわけか、本を紛失してしまっていた(たぶん、買ったはいいけどあまり読む気がしなかったのだろう)。今回、リベンジなるか。ダークホースは文庫版『ジョジョの奇妙な冒険』、全シリーズが揃っていた。
 結局、『ジョジョの奇妙な冒険』を買った。実は全然ダークホースじゃなくって、ひと仕事終えた編集長が読むのに、これ以上にふさわしい作品はない。今年の春にパート3にあたる『スターダスト・クルセイダーズ』をアニメで見ていたので、その続きにあたる『ダイヤモンドは砕けない』のシリーズ最初にあたる12巻と13巻の2冊を買った。早速、家に帰って1時間で読んだ。昨晩、またTSUTAYAに行って14巻と15巻を買った。そのシリーズが終わるまであと6巻ぐらいあるから、今日もまた行って続きの2巻を買うつもりだ。どうせ買うんだから、全部まとめて買えばいいと思うかもしれない。そうだろう、そうだろう、ぼくもそう思う。でも、それができないのがぼくというオトコなのだ。


 前回、一週間ぐらいこのコラムを更新しなかったら、「死んだのかと思いました」というメールをもらった。ぼくがバイトしていた観光旅館の副社長からは、「さぞ、忙しくしていると思いましたよ」と電話で言われた。若干2名の反応だが、このコラムを読んでくれている人がいるということをあらためて実感した。感謝です。