新・不定点観測

赤星豊

vol.213 5㎏増量

 62㎏を超えてしまった。去年の秋に、ホテルでアルバイトをしていた当時からすると、5㎏も増えたことになる。5㎏というと、結構な重量だ。2リットルの水と1リットルの牛乳に、キャベツやらタマネギやらを詰め込んだビニール袋を手に歩くと、しだいに持っている手に食い込んで、たまに左右で持ち替えたりするんだけど、それぐらいの重量が常に自分にのしかかっていると思うとかなりヤバい気がする。40歳を過ぎると、「いくら食べても太らないんだよね」的神話は崩壊するのだ。体重を意識しだしたせいか、こころなしか顔も丸くなったように見える。ちょっと気を抜くとヤバい。丸い顔のオレなんて、オレじゃない。この間、東京で会った黒住光は、やっぱり太ってしまって、顔が丸くなるんじゃなくってデカくなってた。絶対ああはなりたくない───というので、今日から減量作戦を実行することにした。


 ───と書いたところで、たったいま、佐川急便から荷物が届いた。静岡県は富士宮市から。すっかり忘れていた。富士宮やきそばの10人前パックを通販で買っていたのだ。先週、情報番組でやきそば特集をやっていて、どうしても食べたくなったのがこの富士宮やきそばだ。はじめて食べたのは6年ぐらい前だろうか。『BRUTUS』の番長からお土産としてもらったのが、この富士宮やきそばだった。富士宮出身の番長は、かねてからなにかにつけ、この富士宮やきそばがいかに美味いかを語るのだった。で、実際食べてみたら、これがほんと美味いのだ。ラードのかすからできた「肉かす」と、ゴムのようなかみごたえの麺がこの富士宮やきそばの特徴だ───こうやって書いてるそばから、唾が間欠泉のように湧き出してくる。減量作戦は明日からに変更だ。今日は富士宮やきそば。2人前は軽いんだよね。


 最近、ずっと仕事のことを書いてないような気がする。たぶん、このコラムを読んでくれてる人は、「赤星さんっていいなあ、遊んでばっかりで」みたいなことを思ってるかもしれない。まあ、実際、よく遊んでる。昼間っからキャッチボールもするし、美味しいランチを出す店や、雰囲気のいい喫茶店を求めて、それだけで車で出かけることもある。でも、そんなこんなでも、ちゃんと仕事はしているのだ。まず、肝心かなめの次号vol.7。去年の今頃は、「vol.5では何を特集しようか」なんて悠長にかまえていたんだけど、今年はちょっと違う。実はすでに、特集の構成を決めただけじゃなく、取材・撮影にも入っているのだ。さらにいままでに絶対にないことには、次号と並行して、次々号vol.8の準備までしているのである。そんなオレってのは、丸い顔のオレみたいで、まるでオレじゃないみたいです。
 さらに、KJとはまったく別の、ふたつのプロジェクトを抱えている。ひとつは、児島にあるジーンズ・ミュージアムのリニューアル。そのディレクションをぼくが担当することになっているのだ。もうひとつは、某ブランドの秋冬コレクションのカタログ製作。これらを同時にやっつけなきゃいけないので、KJも進行がおのずと早くなっているというわけだ。「天気がよくってハッピー」なんて言っていられるのもいまのうち。6月からのぼくは鬼人のように働くよ。いったん、エンジンがかかるとやるのよ、ぼくというオトコは。