今年、岡山での梅雨明けを20年ぶりに体験した。この月曜日だった。夏がギアをトップに入れたのがはっきりわかった。太陽の熱、まぶしさ、海の照り返し。前日の日曜日とはまったく違っていた。東京の梅雨明けは、「そういえば一昨日に梅雨が明けてたらしいね」みたいな、のんべんだらりとしたやつだった。一方、こちら方の梅雨明けは、眠っていたいたトラがいきなり牙をむいて襲ってくるような感じだ。
今日も泣きたいぐらいの暑さだ。実際、さっきは半べそをかきそうになった。というのも、このコラムを書いている最中にブレイカーが落ちたのだ。すぐに1階に下りると、クーラーはついていたものの音響は止まっていた。下の一部も電気が落ちていたのだ。ヒロくんが奥の部屋にある配電盤を見てくれて、すぐに電気は復旧した。
「赤星さん、コンピュータは大丈夫だったですか?」
「う、うん、大丈夫よ、大丈夫」
全然大丈夫じゃなかった。パソコンを起動し、書きかけのワードを開くと画面は真っ白。またゼロから書き直さなきゃならない。でも、KJの原稿でもないし、冒頭の梅雨明けの部分しか書いてないことだし、まあのんびりやるかと腹をくくり、ようやく元の原稿を書き直したそのときだった。また電気が落ちた───。
「赤星さん、コンピュータは大丈夫だったですか?」
「う、うん、もうダメかも……」
話の枕を再々度復元した時点で、もう力尽きた。枕のあとに、借金返済の手続きでひと騒動あったことについて詳細に書こうと思ってたけど、もうやめだ。話自体暗いし、だいたいそんなナマっぽい話を誰が聞きたい? でもね、ぼくの人生、そうそう楽しい話ばっかりじゃないのだよ。もしも「最近あった楽しいことは?」って質問されたら、3年ぐらいはさかのぼるんじゃないかと───なんて、夏の牙に完全にやられているKJ編集長でした。
窓の外、海がやけに青い。ああ、海行って泳ぎたいなあ……。