新・不定点観測

赤星豊

vol.99 またまた、エコ

open%20air%202.jpg先日のKJフェスのオークションの後日談をひとつ。誰ひとり手を挙げず、日曜日の昼間のイベントにはあるまじきしんとした静けさをもたらしたKJの束見本。お情けで「1000円!」と手を挙げてくれたのがNさんだった。イベントの2日後、ぼくはNさんにお礼を言うべく、彼の勤める藍布屋の本社に行った。あいにくNさんは出張でいなかったので、彼の上司の中村部長と少し話した。「Nさんには感謝してます。お情けで落としてもらって」とぼくが言うと、この中村部長、思わぬことをおっしゃった。
「いや、あれはNの子供が欲しいと言ったらしいですよ」
 そうだ、あのとき1000円札を一枚持ってステージにあがったのは子供だった。
「な、なぜにまた?」
「あれ、中身が真っ白だったでしょう? お絵かき帳に使いたいって言ったんだって」
「……………」
「昨日の時点で、かなり描きこんでたらしいです」
 かくして、ぼくの血と汗と涙のにじんだKJ束見本は、一部には「相当な値になる」とまでいわれたそれは、子供のお絵描き帳になったのであった。彼がこれをきっかけに、立派なアーティストにでもなってくれることを願うばかりである。


 フェスが終わってやっと一段落した。vol.4を出して以降、ヒロナカさんの個展やらシンクロニシティのCD制作やらライブやらと、果ては児島レッドソックスの結成やらと、公私にわたって慌しい日々をすごしてきた。そして気がつけば5月も後半にさしかかっているじゃないか。ヤバい、そろそろ次号vol.5の構成を考えなきゃいけない。
 というわけで、次号の特集テーマをここで発表したりしてみよう。次号のテーマはズバリ「エコ」でいきます。やっぱ、エコでしょ、と。「フェスと同じじゃないの?」という声が遠くから聞こえないでもない。そう、同じだ。フェスと同じで、エコ。どこが悪い?
 ここのところ、Wombのエントランス前に写真のようなオープンエア席を作って、そこでじっくり企画をねろうとしている。エコだけに、青空のもと、海と山に囲まれて考えをめぐらせれば、いいアイデアが湯水のようにこんこんと湧き出るんじゃないかと。が、いまのところ源泉には行き当たっていない。行き当たらないうちは、はた目には公園のベンチに坐って日光浴をしているおじいちゃんとなんら変わらない。「昼間から仕事もせんと、ええのお」と羨望の目も向けられることもしばしば。でも、ぼくは考えてるのよ。ちょっと早いけど、そろそろやらんといけんのよ。なんせテーマがエコだから、いままでとガラリと変わってジャーナル系だから……ぼくの苦手な。