昨晩、「GERUZ」の秀さんが、新しいオフィスのBGMにとトム・ウェイツのCDをもってきてくれた。今、それを聞きながら机に向かってる。うん、悪くない。新事務所の雰囲気にピッタリだ。でも、ぼくのすぐ横で、相当な音量の雑音が絶えず聞こえる。犬のイビキである。下のカフェの西原くんの犬、パグのベック。奥さんのマキさんから話には聞いていた。「うちの犬、ものすごいイビキをかくんですよ」。なるほど、これだったのね。よーく、わかった。たしかにただのイビキじゃない。「ものすごい」と形容するだけのことはある。
4月25日、火曜日。昨日、東京から帰ってきた。週末だけの滞在だったので、普段は乗らない飛行機を使った。それがやっぱり間違いだった。午後2時35分羽田発の岡山行き。家を1時に出れば余裕で羽田に到着するはず。ところが、中目黒の駅で、山手線が止まっているとのアナウンスがあった。羽田までタクシーを使おうかとも思ったんだけど、数千円を倹約しようとバスを使った。このバスが激混みだった。やっぱりみんな考えてることは同じなのだ。京浜急行の新馬場駅で降りて、そこからは電車で羽田空港まで1本。しかし、到着すると2時20分。それでも、「山手線が運休している」という大義名分があるからして、余裕をかましてチケットカウンターに行った。
「お客様、申し訳ないんですが」。カウンターの女性がさも申し訳なさそうな顔で言った。ぼくのかざした大義名分はまったく受け入れられなかった。結局、次の飛行機にスライドとなった。出発時間は19時15分。おいおい、5時間近くあるがな。
ターミナルのレストランで蕎麦を食べ、カフェでお茶を飲み、それでもあと3時間以上あったのでマッサージを受けることにした。50分の全身コースを選択し、うつぶせになるとすぐにうとうとしてきて、5分もすると起こされた。
「予定の50分が終了しました」
「ええっ! 始まったばかりじゃないの?」
「いえ、赤星さま、ずっと眠ってらっしゃいました」
そこで彼女、「追加で何か受けられますか?」とメニューをもってきた。カラダも心もどこかすっきりしないぼくは、いきおい「リフレクソロジー30分」を選択。結果、支払い時には万札がきれいに消えた。5000円ばかりのお金を節約しようとしたばかりに、2倍の散財をしてしまった。東京はやっぱり恐ろしいところだ。
今日は心底、気持ちのいい日だった。オフィスで仕事をしていても、ぼおっと海を見ていても、車に乗っていても、「気持ちイイッ!」と心のなかで叫んでるような。こんな日があるんだね。昼には小田クンがバイクに乗ってやってきた。小田クンも「もう最高ッスねえ」としみじみ言ってた。たぶん、今日倉敷で交わされた会話の半分以上は、「気持ちいいね」とか「最高だね」みたいなことじゃなかったのかな。
ちょっと前にベックが目をさました。犬のねぼけまなこなんて久々に見たような気がする。その目があまりにかわいいので、腕を伸ばしてのどのところをなでてやってたら、またすぐに寝入ってしまった。そして、またすぐにあのイビキが。バックにはトム・ウェイツの曲。今この瞬間の平和な感じ、たまらないよ。東京の滞在日数、3日間で終了。