昨晩、遅くにMちゃんが編集室にやってきた。このコラムでは初登場のMちゃん、年齢はたぶん24歳。デニムを勉強したくて、昨年の春に東京から児島に移ってきた。昨年の夏、Wombのニシハラくんから紹介された。彼女はその頃にはすでに常連だったがいつもひとりで、来るたびに「友達ができない」とニシハラくんにこぼしていたらしい。それでぼくが紹介されたというわけ。「オッケー。じゃあ今日からぼくが友達だ」と言うと、顔をぐちゃぐちゃにして笑っていた。
それからしばらくして、友達を増やすためにゲームを買うと彼女は言った。
「だったら絶対モノポリーだ。モノポリーを買いなさい」
Mちゃんは本当にモノポリーを買った。買ったからには遊んであげないといけない。ぼくはクセの少ないフレンドリーなメンツを集め、一緒にモノポリーで遊んだ。そうこうしているうちに友達が増え始めた。いまでは紹介したヤツらと勝手に遊びに行ったりもしている。表情も明るい。で、彼女が昨晩やってきたという話だった。
「なんか用?」
ぼくは意外と素っ気ないのだ。
「いや、とくにないんだけど。いや、ある。あのさ、なんかあ───」
「おまえ、いま用事を考えてない?」
「ええっ? そう、わかる?」
どうみても用事はなさそうだった。一方のぼくは、夜は忙しい。もうすぐ11時、Wombの閉まる時間も迫ってたし。
「わたしィ、なんか調子いい」
これ、なんのことだかさっぱりわからないと思うが、そのときのぼくはすぐに悟った。つまり、最近は友達もたくさんできて、仕事も充実していると言いたいのだ。
「そりゃよかった」
「うん」
「顔が違うもんな、最近は。なんか明るいよ」
「ええっ、ホント?」
「この間、ミエちゃんとも言ってたんだよ。よかったなって」
ミエちゃんは、ぼくがMちゃんに最初に紹介した女性である。
「ああ、もう泣いちゃう」
冗談じゃなかった。Mちゃんは本当に泣き始めた。よわった。なんか話題だ。とりあえずの話題。
「Mちゃんさあ、エコに興味ある?」
「……あるよ。牛乳とかリサイクル出してるよ」
「よし、合格」
「なにが?」
「KJフェス実行委員会の第一号に任命する」
前回のコラムで紹介したあれだ。エコをテーマにした「第2回Krash japan フェスティバル」。実行委員会はその場で思いついた。その場の思いつきにしちゃ悪くない。ぼくがあれこれ考えるよりも、若い子たちに考えさせるほうが面白いんでないかな。
Mちゃんは妙に喜んでいた。これからもっと友達も増えるだろうし、一石二鳥だ。ということで、この場を借りて、実行委員会のメンバーを募集します。きっと楽しいよ。Mちゃんと友達になれるという特典もあります。特典……いや、ちょっと違うか。