かける曲はThe Clashの『ロンドン・コーリング』と決めていた。1月の第一日曜日から始まるラジオ番組『レディオ・クラッシュジャパン』のオープニングである。カミソリパンチのようなギターソロ、重いボディブローのようなベース、そしてドラムが「タタタタタタ」ときてから、「レディオ・クラッシュジャパーン!」というタイトルコールが入る。その後は曲の音量を下げてぼくの出番。「今晩から始まりましたレディオ・クラッシュジャパン、パーソナリティはわたくし、Krashjapan編集長の赤星です」とかなんとか。いやあ、いいね、いいね。絶対決まるね、これ。
「曲に歌詞があると、声と重なってわかりにくくなるんです」
この最高のオープニングに「待った」をかけたのはFMくらしきの前沢さん。彼の声はいつもラジオで聞いている。よく通る声で、ニュースとか読ませるとピカイチだ。その前沢さんに今日は午後から番組制作のレクチャーを受けていた。
「曲の声が目立たない程度に音量を下げると、今度はなんの曲かわからなくなるんです」
「じゃあ他の番組とかどんな曲を使ってるんですか?」
「多いのはフュージョン系です」
出た、フュージョン系。ぼくのこれまでの人生のなかでもっとも縁の薄いジャンルだよ。
「ああ、フュージョンですか……うーん、フュージョンですか。ぼくはThe Clashの『ロンドン・コーリング』をかけようとしてたんです。The Clash、知ってます?」
前沢さんは苦笑いを浮かべて首を横に振る。隣にいたミキサーの影山さんは、かろうじてバンド名は聞いたことがあると言った。たぶん、FMくらしきでは一度もかかったことはないと思う。ちなみにこの日時の前番組は『月夜の散歩』、クラシック・オンリーの番組である。結局、放送までに一度、可能かどうか試してみようということになった。うーん、Krashjapanとフュージョン、この組み合わせはいかにもキツい。ジャズでもないし、ブルースでもないし。やっぱり反骨のロックでなきゃ(The Clashはパンクバンドです)。でも、歌詞のないロックなんてあるんかい?
いよいよ明日、ポーランドに発つ(くどいようだが、朝5時18分児島発のマリンライナーに乗って)。しばし倉敷ともおさらばだ。そう思うとむしょうに「とらや」のA定食が食べたくなったので、FMくらしきの帰りに水島に寄った。
最近、A定食のさらにおいしくなる食べ方を考案した。八宝菜をおかずにするんじゃなく、八宝菜のなかにご飯をぶち込むのだ。キャベツの千切りと一緒にぐちゃぐちゃにして、スープについてくるレンゲですくって食べる。で、ときおり、甘酢のタレがたっぷりかかった肉団子をレンゲでふたつに割って口に入れる。これ、もうたまらんのだ。vol.2では「水島定食」としたけど、いまや「倉敷のソウルフード」といってもいい。できれば、空港の中に出店してほしいぐらいだ。
とらやの帰りにGERUZに寄って、ポーランドのスタッフへのお土産用にゲル虫を買った。これ、ウケると思う。タグに「Made in Mizushima」と書いてあって、「それ、どこなの?」ということになるやもしれん。そうしたら、無言でそっとvol.2を手渡せばよろし。水島は使える町だね、やっぱり。みなさんも、海外へ行く際には水島に立ち寄ることを是非オススメします。(明日から1週間このコラムをお休みします。20日に帰国後、すぐに更新します。ポーランドの写真付きで。頼むよ、みんな)