今回の20日あまりの倉敷滞在で、次号の約3分の2の取材と撮影を終えた。スケジュールの終盤は、写真家の長島有里枝さんに倉敷に来てもらって水島を撮影した。彼女は創刊号でマンガを描いてもらった小林エリカさんの友達で、番長こと木下クンとも『anan』で一緒に仕事をしていたので、とにかく名前はしょっちゅう耳にしていた。最近の若い写真家にあまり詳しくないので、長島有里枝なる写真家がどんな作品を撮るのかまったく知らなかった。それがだね、やっぱりめぐり合わせなんだろうね、ある日彼女の写真集を目にする機会がやってきた。一目惚れだった。すぐにその足で写真集を買いに行ったぐらい。長島さんには今年の夏からコンタクトをとっていて、彼女もこころよく引き受けてくれた。次号の水島大特集は、彼女にどんな写真を撮ってもらったら面白いかを考えた末に生まれた企画といっていい。長島有里枝が撮った水島の写真、誰よりもぼくが見てみたいのだ。
12月14日、日曜日。今週の水曜日に長島さんが倉敷にやってきて3日間の滞在で写真を撮った。はっきりいって楽しかったね。彼女が写真を撮ってる姿を見てるだけで、いつもワクワクしてた。彼女よりもぼくのテンションの方が高かったかもしれない。おかげでこの3日間は夜家に帰るとぐったりで、この日記を書く気力も残ってなかった───なんていう言い訳は、はたして通用するだろうかね。この数日のブランクのことを言ってるわけだけど。
昨晩は倉敷での夜のイベント「オトコノセイザ」に出かけた。場所はいま岡山県内でもっともホットといわれている倉敷の「SHUBY DOO WAP」(0)。クラブなんてまったく縁のない生活を20年近く送ってきたぐらいだから、本当はあまり惹かれてなかった。でも、その夜の5人のDJのうちのひとり、末永朋利さんから「是非!」と誘われていたのである。それにフライヤーもちょっと魅力的だった。なんと、メインビジュアルが奥村チヨなのだ。タイトルといい、このビジュアルといい、オッサン心をくすぐられたわけだ。で、夜の10時にチェックイン。
若者が踊りこけてた。「若者が踊りこけてる」というところでいきなりカラダが1万マイルほど引いてしまった。気が遠くなりかけて、帰ろうかどうしようかと思案してるところに、目の前にいたヒゲの若者が笑顔で話しかけてきた。彼とは最初に「スプートニク」で偶然会って、うちの近所の「Womb」でも偶然会っていた。なんかぼくのことを慕ってくれてるみたいだ。女の子も話しかけてくれた。ギャラリーの「Galeria Punto倉敷」の前原さんである。彼女、相当飲んでたのか、かなりテンションが高かった。この場の若者のなかに知り合いがいるというのは、ものすごく不思議な感じだったけど、同時に嬉しくもあった。10分もするとなんとなくカラダが慣れてきた。というか、感覚を取り戻したというか。ぼくも20代の頃はクラブに行ってたこともあるのだ。20分もすると踊ってたね。でも、100%のノリじゃない。どこかで、「オレ、浮いてないよね?」と自分の踊りを常に客観視しながら踊っていた。
曲はなんでもありの感じで、レゲエあり、ロックあり。ぼくの大好きなエルビス・コステロの『チェルシー』もかかってたな。なかでも一番楽しかったのは末永さんのDJだ(写真)。レゲエが主体だけど、美空ひばりの曲や古い歌謡曲を織り交ぜるのである。今年ロンドンで2度ほどクラブに顔を出した。どちらも人気のクラブだったけど、「やっぱりついていけん」と実感していた。でも、昨晩はホント楽しかったね。ぼくのクラブ通いが、もしかしたら倉敷で再開するかも。倉敷の滞在日数、18日経過。