新・不定点観測

赤星豊

vol.24 ラジオでKJ

 最近、家のお昼を作っていない。10日ほど前にオトンから「もう夜だけでええで」という提案があったのだ。実は以前からそれは言われていたんだけど、自分でも根拠がよく分からない意地のようなものがあって、「いや、作るったら作る!」と断固拒みつづけていた。でも実際、昼食と夕食の両方をまかなうのは大変だ。昼食の片付けが終わるのが12時過ぎ。それから岡山や倉敷に営業に行くこともままあるのだが、4時過ぎには夕飯の支度のために家路につかなきゃいけない。気持ちに余裕があるときは『24』なみのハラハラドキドキを楽しめたりもする。が、大抵はそうはいかない。
 オトンの言葉に甘えてみることにした。おかげで仕事は格段にしやすくなった。朝から夕方までの仕事が中断されないことで、気持ちに余裕がもてるようになった。でも、オトンとオカンが何を食べてるかやっぱり気になる。いつもの我が家の昼食の時間、11時半頃になるとちょっとブルーになる。ろくなもん食べてないのだ。夕飯の残りのご飯でお茶漬けとか、買ってきた巻き寿司とかラーメンとか。お昼を無理して作るべきか、このまま夕飯だけにするか。ぼくの精神衛生上、どちらがいいのかいまはまだよくわからない。

 今日は午後からステンレススチール・クラフトのカワベくんの撮影を行うことになってる。カメラマンは矢部國俊。広告業界で長く活躍してきたお人で、腕は相当にいい。彼とは3年前に『BRUTUS』の仕事でスイスに一緒に行って以来の付き合いだ。以降、一緒に仕事をする機会は一度もなかったが、彼はパソコンにめっぽう強くて、パソコンにめっぽう弱いぼくがなにかにつけ彼に連絡してトラブルを解決してもらっていた、という間柄である。さて、どんな写真が撮れるのか、メチャクチャ楽しみだ。
 こうやっていろんな人が倉敷にやってきてくれる。11月にはアーティストの西浦祐太くんが東京から、ニョンくん(シアトル出身のアメリカ人です)が大阪から。小林エリカさんには再度の来倉を依頼しているところだ。今号はこれまでになくにぎやかになるのは間違いない。同時にぼくの銀行口座は長い冬の時代からさらに氷河期へ突入。東京にいるシマヅさん(担当の税理士です)、というわけで今年もわが社アジアンビーハイブ号は歯止めがきかず、赤字に向かってものすごい勢いで突き進んでます。

 ぼくが「これ、面白いかも」と思いつくことには共通点がある。どれもお金を生み出さない。生み出さないどころか、ぼくの痩せさらばえたロバのようなカラダからもぎとるようにしてお金が出て行く。最近思いついたアイデアも、やっぱり結構なお金がかかることがわかった。そのアイデアとは───ラジオである。KJでラジオ番組をもつのだ。雑誌と放送のインタラクティブ、絶対面白いね、これ。枠は月イチで30分。パーソナリティはわたくし。毎回、KJに関係しているアーティストや、まったく関係しない友人・知人を招いてトークを展開。もちろん、最新号の進捗状況や取材・撮影の裏話も盛り込んで。音楽もかけるよ、ガンガン。きっと人気番組になると思うんだけど、どなたかスポンサーになってやろうという奇特な方はいらっしゃらないでしょうか?